秘密の恋 〜私の禁断〜 上

そして私のいつもの平凡な生活がまた始まった。


旦那は…卓也は次の日には元気になっていた。



「おはよぉ…」

眠い目を擦って卓也は寝室から出て来た。

「おはよう…卓也！」

エッ！？って顔で私を見る。

「何〜？朝ごはん食べるでしょ？」

「あ…うん。」



ご飯を食べながら横目でチラチラ私を見る卓也はきっと驚いてるんだ。


「ねぇ」とか「あんた」しか呼ばれなかった最近の生活の中で、不意に”卓也”って前みたいに呼ばれたんだから。


フフ…


ちょっと面白い。



「ねぇ…卓也？」

「ブフッ！！」

コーヒーを鼻息で吹き飛ばして零した。

「ちょっと、卓也〜！？何してんの！？」

ゴホゴホ咳をしながら私を見る。

「どうした？機嫌いいね？」

「そぉ？ねぇ、今日さケーキ焼いてあげるよ！元気になったしさ、甘い物好きじゃん！」

「あ…う…うん！ありがとう！嬉しいよ！」



卓也は上機嫌で答えた。卓也のこんな笑顔を見たのはいつぶりだろぉ…。


その笑顔は少し前の夫婦生活に戻ったようで嬉しかった。