もう一度君に会いたい
一斉に走り出した俺はドンドンと前の奴を抜いてトップにあがった。
しかし、そう簡単にゴールできるわけなく、スグに朝陽が追いついてきた。
二人とも平均以上の身体能力を持っていたので1位争いはこの二人で確定だろう。
パンパンッ
――一番最初にゴールしたのは春だった。
「「キャーッ!!」」
その瞬間、女子の黄色い声が飛び交った。
「ハァハァ、やっぱスゲーな、春……。」
俺の傍にやってきた朝陽は息を整えながら言った。
『そんな事ねーよ。
朝陽こそスゴかったじゃねーか。』
実際、そうだ。
自慢じゃないけど俺は身体能力だけは自信があった。
そんな俺にあんな風に追いついた朝陽はスゴい。
「そ、そうかぁ~?
春にそんな事言われるとマジで嬉しいんだけどッ!」
と、疲れも吹っ飛んだように喜んでた。