もう一度君に会いたい
『(どうしたんだ……?)』
すると雪波は覚悟を決めたように、キョロキョロして、こっちに向かって走ってきた。
「なぁなぁ、雪波ちゃん、こっちに来てね?」
「つか、マジで美人だなッ!」
そんな会話が俺の耳に入ってきた。
どうやら雪波は俺のクラスでも有名らしい。
俺の知らないところで雪波ちゃんと呼ばれると、何だか胸の奥がモヤモヤした。
この時の俺は、まだ自分のこの感情に気付いていなかったんだ………。