もう一度君に会いたい
二章
春side
―――あの遊園地で遊んだときから数日がたった頃…。――
「なぁなぁ、春は知ってるか?」
俺と朝陽はいつもの様に屋上で弁当を食っていた。
『朝陽…、いつも言ってるだろ?主語をつけろって…。』
朝陽のいきなりの質問に俺はペットボトルの蓋を開けながらそう言った。
「雪波ちゃんが何で笑わないのか。」
いつもの軽い感じの調子じゃなく、朝陽は真剣な顔をしてそう聞いてきた。
『雪波が笑わない理由…?』
俺は内心、ドキドキしながら朝陽の言葉を聞き返した。
「あぁ。
雪波ちゃん、せっかく美人なんだから、笑ったらもっと可愛いかな?って思ったんだけど…。」
『だ、だからって何で俺に聞くんだよ?』
俺は朝陽に動揺を気付かれないように小さな声でそう言った。
――すると朝陽は、少し考える仕草をして、
「だって、春なら雪波ちゃんのこと、何か知ってそうじゃん?」
それに――
「雪波ちゃん、過去に何かあったのかなぁー?って…。」
朝陽はそう付け加えて俺を見た。
朝陽のこうゆう鋭さ、毎回すごいな。