氷ノ様ナ鏡
愛しくて憎らしくて
彼等は数千万の命と
自身の命を犠牲にしてでも
何時しか迫り来る
過酷な未来を
変えようとしていた
でもそんなのは所詮
自己満足でしかないのに
アタシは止めたかった
彼等を止めて救いたかった
彼等の命を
でも止められなかった
激しい戦いが終局を迎えた
疲れ果てた彼の元へアタシは急いだ
だけど既に先客がいた
白銀の髪の少女が茶髪の青年を抱き締め寄り添いながら互いを見つめ合っている
その様子は
あまりに幸せそうで
アタシは2人をあと数歩離れた場所に居ながら立ち止まるしかなかった
そして君と彼女が静かに
息を引き取った
あっという間の出来事
真っ赤な血が2人から飛び散る
2人を失い悲しい気持ちが
アタシの心を縛る
その反面
彼等の姿は何故か美しかった
そう
彼等を殺してしまったのは
アタシだったんだ
見つめ合う2人を見て
愛しくて憎らしくて
アタシは手に持っていた
愛武器、ボウガンを
無意識に弾いてしまった
鮮血がとめどなく流れ
彼等に近づく
アタシの足元も
赤く 赤く 染まる
ああ、なんて綺麗なのだろう