太陽ジャンク
レイアル刑事
〜Chica〜
「こいつマジで可愛いなぁ。」
オレはクゥって奴をふにふに触った。
「はっ…放せっ!わしが誰だか分かってんのか!」
「分かんねぇから触ってんだよ!」
しっかし、喋れるパンダがいたとはなぁ。
世の中捨てたもんじゃないぜ。
「つか、なんでお前が俺の家に来てんだよ。」
勇助はムスッとした顔でそっぽを向く。
「クゥに会いに来たんだよ。」
ここは勇助の家。
アパートの2階で意外に小さかった。
「なぁ、お母さんとお父さんは?」
「母親は死んだ。
父親は遠いどっかで仕事してるさ…。」
勇助は吐き捨てるように言う。
「じゃあ、オレと似てるね。」
クゥの動きがピタッと止まる。
いや、オレがゆっくりクゥを床に降ろしたからだ。
「オレもお母さんとお父さんの顔は覚えてねぇ。
オレが生まれた時に死んだらしいけど…。」
みんな黙りこくる。
「でもな、オレにはお父さんみたいな人が近くにいるんだ。
だから、平気。」
「そっか。」
勇助から笑みがこぼれた。