太陽ジャンク
じゃあ、
勇助にはそういう人がいるのかな?
親のような温かさを持った人が・・・
「なぁ。」
勇助がじっとオレを見る。
「下の世界って知ってるか?」
またこれだ。
「だぁから、知らねぇって言ってんじゃん。」
その回答に勇助は暗い顔をする。
「本当か?」
今度はクゥが聞く。
「だから、本当だってば。
オレが逆に下の世界ってなんだ?って聞きてぇよ。」
二人(一人と一匹)は黙りこんだ。
「なんなんだよ。下の世界って。
お前らは下の世界っていうものを探してんのか?」
「違う。」
だったら、なんなんだよ。
「なぁ、勇助…この話はいったん保留にしておこう。」
「ああ。」
「だから、なんだって聞いてんだよ!」
「浅沼。」
勇助は静かな声で言った。
「昨日の槍のことも下の世界のことも忘れろ。」
なんだよ、急に。
「それが安全策だ。」
オレは訳が分からずうなずいた。
「あっ、じゃあ、これ持っておけ。」
勇助はオレにストラップみたいな紺色の紐を投げた。