太陽ジャンク


「勇助っ!」



涙でしわくちゃになった顔の浅沼が走ってきて


俺にしがみついた。


浅沼はいつもの人間の姿だった。



でも、確かにケータイのアラームは鳴った。




それなのに…


「化け物は…?」


「分かんない。


襲われそうになって気を失って…


目が覚めたら消えてた…。」



そんなの有り得ないだろう。


化け物は本能のまま動く。


獲物が目の前にあるのに


逃げ出すのは有り得ない。



まさかこいつが・・・!?



「勇助…。あれっ!」



クゥが飛んでいき、


何か紙切れを持ってきた。


「それ…ダミーの…。」


その紙切れにはジュッと音をたてて燃えて消えた。



さっきのはレイアルハンターになるための練習のダミー。




このダミーの化け物はさほど大きくない。



しかし、よく再現されており軽傷では済まされない。




それがなぜここに…




「これは…お前以外にハンターが居るって事だな。」



クゥが渋い顔で言った。




「はぁ…!?ここは俺の縄張りだぞ!」




どうなってるんだよ。



オヤジ…。




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