◇◆近距離恋愛◆◇〜続編〜


「何でよ。何で隼人が行くの?」



かすれるくらい小さな声で消えそうなくらい微かな声で呟く



唇は震える
手だって力がなくなる



「あいつきっといまショック受けてるから。」




わからないよ
わからないよ



「だから何で隼人が行く必要があるの?

空ちゃんのこと好きなの?」



少しずつ声が大きくなる
それなのに震えてうまくしゃべれない



「何でそうなんの?別にそんなんじゃないって何回いったらわかんだよ。」




わからないよ
ねえ、隼人




嫌い
嫌いになりたい



けど好きだよ



「隼人、行かないでよ。美海の側にいて?空ちゃんと美海。どっち選ぶの?」



こんなこと言いたくなかった



どうせ、めんどくさいやつって
そうでしょ?



「おまえのこと好きだ。でも今は行かせて」



そう言って背をむけて走り出す隼人



「嘘つき。美海は隼人なんてきらい!顔も見たくない。話したくない。空ちゃんのとこいっちゃえ!

美海もう限界だよ。もう・・・こんな関係やめよ。

今からただの幼なじみだからね」



泣きじゃくりながら叫んだ



好きだけど
好きだけじゃだめみたい



好きだから辛いの
美海はもう堪えられないよ



さよなら
隼人



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