◇◆近距離恋愛◆◇〜続編〜
立つ力もなくて
その場に崩れるように座り込んだ
こんな時に支えてくれる人なんていない
今、美海は
ほんとに一人ぼっちだ
そう一人で固まっていると目の前に来た人影
美海はゆっくり見上げてみた
「ばっかじゃないのあんた」
「・・・柴崎さん」
目の前にいるのは柴崎さん。腕を組みながら美海を見下ろしている
「なんかカップルの修羅場見ちゃったと思ったらあなたたちなんてね。」
それでも黙り混んでいる美海に目線を落とし
ため息をつきそして
パチンッ
そんな綺麗な音と共に
痛みが頬に広がった
驚きを隠せずに柴崎さんを見る
「しっかりしなさいよ。あんたの隼人くんにたいする思いはそんなもんだったわけ?
そんな簡単に幼なじみにもどるようなちゃっちい関係だったの?
今からでもいい。
追い掛けなさい。」
柴崎さんの言葉がひとつひとつ深く刻まれていく
「でも・・・。あんなこと言っちゃった」
「あなたが追わないならあたしが追ってもいいのよ?別れたんでしょ?いつでも奪い返してもいいんだからね。
あ、もしかしたらもう空ちゃんとそうなってるかもね〜」
思い出した。
隼人のこと好きって気づいたあの日のことを
隼人がいなくて辛かったあの日のこと
二人一緒になれて幸せだったあの日のこと
嫌だ
なくなるなんてやだよ
「柴崎さん。ありがとう!」