ウイニングボール
入部編
プロローグ
しとしとと雨の降りしきる梅雨時、平日にもかかわらず制服で新幹線に揺られている少年がいた。窓の外をぼんやり見つめ暇そうな顔をしている。
目的地に到着するという車内アナウンスを聞くと、彼は鞄の中から1枚のメモを取り出した。どうやら地図らしい。メモを確認するとそれをポケットにしまい、また窓の外に視線をやる。
その時、窓際に置いてあった携帯が振動する。別に電車の中だからマナーにしている訳ではない。彼の携帯はいつでもマナーモードだ。
「もしもし」
携帯を開き、電話に出る。相手は母親からだった。
『もしもし、祐樹? もう着いた?』
「まだ。もうすぐ駅に着くよ」
『ちゃんと叔父さんに挨拶するのよ? わかってる?』
「分かってるよ! もう着くから切るからな」
そう言うと相手の返事も聞かぬまま祐樹は携帯を閉じた。別に電話しているのが嫌だったという訳ではなく、本当に目的の駅に着いたのだ。
祐樹は電車を降りると地図にあった学校へと向かい歩き出した。本当は昨日こっちには来ているはずだったのだが、祐樹が荷物の整理を終わらせてなかったため転校初日に遅刻するハメになったのだ。
目的地に到着するという車内アナウンスを聞くと、彼は鞄の中から1枚のメモを取り出した。どうやら地図らしい。メモを確認するとそれをポケットにしまい、また窓の外に視線をやる。
その時、窓際に置いてあった携帯が振動する。別に電車の中だからマナーにしている訳ではない。彼の携帯はいつでもマナーモードだ。
「もしもし」
携帯を開き、電話に出る。相手は母親からだった。
『もしもし、祐樹? もう着いた?』
「まだ。もうすぐ駅に着くよ」
『ちゃんと叔父さんに挨拶するのよ? わかってる?』
「分かってるよ! もう着くから切るからな」
そう言うと相手の返事も聞かぬまま祐樹は携帯を閉じた。別に電話しているのが嫌だったという訳ではなく、本当に目的の駅に着いたのだ。
祐樹は電車を降りると地図にあった学校へと向かい歩き出した。本当は昨日こっちには来ているはずだったのだが、祐樹が荷物の整理を終わらせてなかったため転校初日に遅刻するハメになったのだ。