ウイニングボール
月曜、放課後。
平松達はいつも通り集まって練習していた。
遊佐は素振り、平松は破れたユニフォームを唯華に縫ってもらっていた。
平松は縫い終わったユニフォームを着て防具をつけた。しゃがんでミットを構える。遊佐がピッチャーとの距離よりも大分近づいて投げる。祐樹の球を受ける練習らしい。
「もっと近づいて」
「ここまでしなくても受けれるだろ」
遊佐は反抗しながらも渋々近づき投げ始める。
「やっぱり来てくれないのかなぁ……」
唯華は座って二人を見ながら呟いた。
その時、唯華の顔の前に一枚の紙が差し出された。それを受け取った唯華は顔を上げ紙を差し出した人物を見た。途端、笑顔になる。
投げ疲れた遊佐が座り込みタオルで汗を拭う。平松も立ち上がって遊佐に近づく。
「もっと投げて欲しいんだけど」
「来ない奴のために練習しても仕方ないだろ」
平松は困った顔で苦笑いした。
「平松、構えろ!」
「え?」
平松はその声に反射的に構えていた。そして、ミットに向かって今まで平松が見た事も無い速球がやってきた。目を瞑ってしまい取りこぼす。
投げた相手の方を見る。そこには唯華の隣に、野球部のユニフォームを着た祐樹がいた。
「今日から野球部の一員になった国崎祐樹君です」
唯華が、驚いて目を見開いている遊佐と平松にそう告げた。
「よろしく」
そう言うと祐樹は、大きく振りかぶって平松のミット目掛けてボールを投げた。
平松達はいつも通り集まって練習していた。
遊佐は素振り、平松は破れたユニフォームを唯華に縫ってもらっていた。
平松は縫い終わったユニフォームを着て防具をつけた。しゃがんでミットを構える。遊佐がピッチャーとの距離よりも大分近づいて投げる。祐樹の球を受ける練習らしい。
「もっと近づいて」
「ここまでしなくても受けれるだろ」
遊佐は反抗しながらも渋々近づき投げ始める。
「やっぱり来てくれないのかなぁ……」
唯華は座って二人を見ながら呟いた。
その時、唯華の顔の前に一枚の紙が差し出された。それを受け取った唯華は顔を上げ紙を差し出した人物を見た。途端、笑顔になる。
投げ疲れた遊佐が座り込みタオルで汗を拭う。平松も立ち上がって遊佐に近づく。
「もっと投げて欲しいんだけど」
「来ない奴のために練習しても仕方ないだろ」
平松は困った顔で苦笑いした。
「平松、構えろ!」
「え?」
平松はその声に反射的に構えていた。そして、ミットに向かって今まで平松が見た事も無い速球がやってきた。目を瞑ってしまい取りこぼす。
投げた相手の方を見る。そこには唯華の隣に、野球部のユニフォームを着た祐樹がいた。
「今日から野球部の一員になった国崎祐樹君です」
唯華が、驚いて目を見開いている遊佐と平松にそう告げた。
「よろしく」
そう言うと祐樹は、大きく振りかぶって平松のミット目掛けてボールを投げた。