ウイニングボール
学校に着くまでの間、祐樹は考えていた。
叔父さんとは、祐樹の母親のお兄さんだ。今日からそこの家でお世話になる事になっている。叔父さんとは幼い頃に会った事があるらしいが祐樹は覚えていなかった。叔父さんとは言ってもほとんど知らない人だ。それにその家族も居る。そんな所に厄介になる訳だから祐樹も少し不安だった。
そうこう考えているうちに学校に着いた。『春紗学園』校門にはそう書かれている。地図に書いてある字と見比べる。ここで間違いないようだ。祐樹は念のためもう1度確かめてから校門をくぐり、職員室へと向かっていった。
祐樹は職員室で座っていた。今は授業中で担任になるはずの教師もいなかった。少し待っているとチャイムが流れた。続々と職員達が戻ってくる。さっきまで殆んど人がいなかったのに今は殆んどの職員が戻ってきたようだ。その中の1人が祐樹に近づいてきた。
「国崎祐樹君ね? 私が担任の中村です」
ぼうっとしていた祐樹は突然かけられた声に驚いてしまった。
「あっ……はい、国崎です」
少し遅れたが立ち上がって返事をする。
学校の説明等を聞いた後、今日の授業はもう終わったと聞かされた。祐樹のクラスへの紹介は明日になったらしい。祐樹は遅刻してしまった事が少し申し訳なくおもった。
「じゃあ、明日は遅刻しないようにね」
「はい」
それだけ告げると先生は職員室を出て行った。
祐樹もここに居ても仕方ないので、帰ることにした。靴を履き校門を目指していると校舎の影から何か音が聞こえた気がした。祐樹は気になって覗きに行った。
……そこで見てしまった。
誰も居ない校舎の影。勿論グラウンドな訳もない。自転車置き場の隣で、ユニフォームを来てボールを磨いている生徒と素振りをしている生徒を。
叔父さんとは、祐樹の母親のお兄さんだ。今日からそこの家でお世話になる事になっている。叔父さんとは幼い頃に会った事があるらしいが祐樹は覚えていなかった。叔父さんとは言ってもほとんど知らない人だ。それにその家族も居る。そんな所に厄介になる訳だから祐樹も少し不安だった。
そうこう考えているうちに学校に着いた。『春紗学園』校門にはそう書かれている。地図に書いてある字と見比べる。ここで間違いないようだ。祐樹は念のためもう1度確かめてから校門をくぐり、職員室へと向かっていった。
祐樹は職員室で座っていた。今は授業中で担任になるはずの教師もいなかった。少し待っているとチャイムが流れた。続々と職員達が戻ってくる。さっきまで殆んど人がいなかったのに今は殆んどの職員が戻ってきたようだ。その中の1人が祐樹に近づいてきた。
「国崎祐樹君ね? 私が担任の中村です」
ぼうっとしていた祐樹は突然かけられた声に驚いてしまった。
「あっ……はい、国崎です」
少し遅れたが立ち上がって返事をする。
学校の説明等を聞いた後、今日の授業はもう終わったと聞かされた。祐樹のクラスへの紹介は明日になったらしい。祐樹は遅刻してしまった事が少し申し訳なくおもった。
「じゃあ、明日は遅刻しないようにね」
「はい」
それだけ告げると先生は職員室を出て行った。
祐樹もここに居ても仕方ないので、帰ることにした。靴を履き校門を目指していると校舎の影から何か音が聞こえた気がした。祐樹は気になって覗きに行った。
……そこで見てしまった。
誰も居ない校舎の影。勿論グラウンドな訳もない。自転車置き場の隣で、ユニフォームを来てボールを磨いている生徒と素振りをしている生徒を。