ウイニングボール
その日の夜。
祐樹が風呂から上がり台所で麦茶を飲んでいると唯華がやってきた。唯華は祐樹の前まで来ると何か言いにくい事でもあるのか少し躊躇った様子で俯いていた。
「なんか用?」
沈黙に耐えられなくなった祐樹は唯華に問いかけた。
「祐樹くんって、あの……野球やってたんですよね?」
やっぱりその話か……。祐樹は想像通りの話題に内心ため息をつく。
「そうだけど……もう野球はやめたんだ。野球部にも入らない」
「なんでやめちゃったんですか?」
祐樹はその質問には答えたくないとばかりに、その場を後にしようとした。その時、唯華が後ろから声をかけてきた。
「明日の土曜、学校が終わってから草野球ですけど試合があります!! もしよかったら見に来て下さい。場所はこれに書いてあります」
そう言うと祐樹に1枚の紙を手渡し台所を出て行った。祐樹が渡された紙を見てみるとそこには地図と「待ってます」という唯華の手書きだろう女の子らしい字が書いてあった。
「……行かねぇよ」
その紙を握り締め祐樹はそう呟いた。
祐樹が風呂から上がり台所で麦茶を飲んでいると唯華がやってきた。唯華は祐樹の前まで来ると何か言いにくい事でもあるのか少し躊躇った様子で俯いていた。
「なんか用?」
沈黙に耐えられなくなった祐樹は唯華に問いかけた。
「祐樹くんって、あの……野球やってたんですよね?」
やっぱりその話か……。祐樹は想像通りの話題に内心ため息をつく。
「そうだけど……もう野球はやめたんだ。野球部にも入らない」
「なんでやめちゃったんですか?」
祐樹はその質問には答えたくないとばかりに、その場を後にしようとした。その時、唯華が後ろから声をかけてきた。
「明日の土曜、学校が終わってから草野球ですけど試合があります!! もしよかったら見に来て下さい。場所はこれに書いてあります」
そう言うと祐樹に1枚の紙を手渡し台所を出て行った。祐樹が渡された紙を見てみるとそこには地図と「待ってます」という唯華の手書きだろう女の子らしい字が書いてあった。
「……行かねぇよ」
その紙を握り締め祐樹はそう呟いた。