Lemon Drop番外編
Side 陽
せっかく家に連れてきたのに
さっきから七香は愛と
ばっか話してる。
俺は黙って話を聞いていたけど・・・正直なんだか七香を取られたようで面白くない。
しまいには愛に
抱きつかれてるし。
その特権は俺だけのだったのに。
我慢の限界で七香の腕を引っ張って体を引き寄せた。
「・・・よ、陽くん?」
俺は七香の呼ぶ声を無視して愛に無言の圧力をかけていた。
"早くどっか行け"って。
愛はなんだかニヤニヤしておもしろそうにしてる。
しばらく睨んでいたらしょうがないなぁって顔をしながら
「あたし、これから用事あるんだった!」
「あ、愛ちゃん?」
「七香ちゃんはゆっくりしていってねっ!それじゃ、またね」
「え?う、うん」
って愛は慌ただしく焦った顔をして出て行った。
たぶん仕方がなくじゃなくて本当に約束忘れてたんだと思う。
途中言いながら何か思い出してたみたいだし。
ふぅー・・・やっと七香と
二人っきりになれる。
思わず俺は七香を後ろからぎゅって抱きしめていた。