先生、嫌いです
「全く、俺をクビにしたいのか?俺は生徒に恋愛感情なんて持たないよ」
一瞬亜美の涙が頭の中に浮かんだ。
「佐原は何かに悩んでそうだったから力になろうとしただけで…」
亜美の悲しそうな、どこか冷めた顔を思い出す。
「教師とか生徒とか…そういうの関係あるんでしょうか。先生は自分を認めたくないだけだと思います」
そう言い結衣はペンションの中へ戻ろうとしたが足を止め、神崎の方を振り返った。
結衣の唇が微かに動く。
そしてすぐにペンションの中へ入って行った。
亜美を助けて
小さな声でうまく聞き取れなかったが、そう言った気がする。