先生、嫌いです
次の日、お世話になったペンションのオーナーたちに挨拶をし学校へ戻った。
バスの中、神崎はずっと考え込んでいた。
それは結衣も同じだった。
過去を話たら亜美は傷つくのではないか。
先生は亜美を受け止めてくれるのだろうか。
「亜美…私亜美の笑顔が見たいんだ」
「え?」
亜美はいきなり変な事を言われて戸惑っている。
「ううん、何でもない。気にしないで」
結衣はバスの窓から見える風景を眺めていた。
佐原を助けたい。
一方通行な気持ちでいい。
佐原の笑顔が見たい。
もうわかったんだ。
神崎は“助けて”の意味を聞こうと決心した。