先生、嫌いです
過去
「田口、聞きたいことがあるんだけど」
バスから降り、帰り始める生徒たちの中から結衣を見つけ話かけた。
幸い、亜美は近くにいなかった。
「…わかりました」
2人は神崎の準備室へ移動した。
「ここ、他の先生はあまり使わないんだ」
神崎は結衣にコーヒーを出す。
「先生が聞きたい事って、亜美の事ですよね?」
神崎は頷く。
「亜美を助けてってどういう意味なんだ?」
結衣は少し考えるような仕草をした。
「亜美を傷つけるかもしれないけれど…私、先生を信じてるから教えます。その代わり、亜美を助けて…」
結衣の目は真剣だった。
神崎はわかった、と頷く。