先生、嫌いです
「あいつ…あいつ亜美の事をラブホに連れて行ったんだ。…そこで何があったかはわかりますよね…」
神崎の拳には汗がにじむ。
「その後は亜美のことなんてどうでもいいって感じで…今では音信不通。学校も変わっていてどこにいるかもわからない…。結局は、良い先生を演じていただけで…最初…最初から亜美を…」
結衣は泣いていた。
手で何度拭っても涙は流れてくる。
「…亜美…それから笑わなくなった…。助けてあげたいけど…私だけじゃ無理で…先生なら…よくわからないけど、先生ならって…思って…」
結衣はもう言葉を話せない程泣いていた。
神崎は結衣の背中をなでた。
「わかった、もう言わなくていい。田口も苦しんだんだな…。佐原は俺が助けるから…。俺が助ける…。俺もあいつの笑顔が見たいんだ」