先生、嫌いです
「信じなきゃ前に進めないってわかっていても…恐くて。
今でも…あの頃の夢を見るの」
亜美は恐怖に怯えたような表情だ。
結衣も当時の事を思い出し、唇を噛んだ。
「いつも恐くて…一人じゃ抜け出せなくて…本当は誰かに助けてほしいのに…。
もし、またあんな事があったらって考えると…」
亜美は手で顔を覆った。
亜美は今もずっと苦しんでいる。
恐怖から抜け出せないでいる。
亜美はずっと一人でこの苦しみに耐えてきたのだと思うと結衣は泣きそうになった。
「時間はかかると思うけど…私、前に進みたい。ずっと過去から逃げてきたけど…もう逃げたくない」
結衣は何度も頷きながら亜美の背中を撫でた。