先生、嫌いです
「私…ずっとこのままなのかな」
亜美は呟いた。
神崎に聞いたのではなく、自分自身に聞いた。
「結局はさ…先生も一緒じゃん。優しいこと言って近づいきて…どーせ……」
亜美はそこまで言うと手で顔を覆った。
指の隙間から涙が見える。
「…佐原、俺の目を見ろ」
亜美は首を横にふる。
「それで同じことを言ってみろ。なんで一人で悩む?なんで俺に相談しない?一人で抱えるなよ…俺がいるだろ」
神崎は震える亜美を抱きしめたかった。
でも、出来ない。
亜美の事を考えると出来なかった。