worlds of last generationシリーズ 第一部
始めの内は変なレトロオタクだとみんなに言われていた彼だが、今では“ゆっちょ”と呼ばれ親しまれている。
その理由の大半は、彼の気さくな性格が影響していると思うが、私的には彼の考え方が新鮮で…何よりもこの時代に笑いながらあんな事を言ってしまう彼は、やはり凄いと思う。
“生徒のお前らは教室移動を強いられるのに、教える側の俺達だけ楽するのはどうかと思うぞ。
――それにこうして教室で教える事で、モニター越しからは分からないお前らを知る事が出来るからな”
そう笑って言ったゆっちょの言葉は、今でも鮮明に覚えている。
何に対しても全力でぶつかって、一緒になって笑ったり怒ったり…今の時代では珍しい程、私達と生身でコミュニケーションを取る人。
でもそれは決して押し付けがましいような物ではなく、あくまでも自然な形の物だった。
例えるならそう――
“友達”
私だけでなく、きっとみんなもそう思ってる。
何と無く分かる程、みんなが彼に向ける言葉は暖かで親しみを感じるものだった。
そんなゆっちょの声は、ホームルーム時で静かな校舎に良く響く。
それは決してゆっちょが大声を出している、と言うわけじゃ無くて…文明が進化してしまった世界の中で、少し前の“当たり前”を古い考えだと思う人が増えた結果でしかなかった。
静けさの佇む校舎の中で、唯一担任の声だけが響く。
それは酷く寂しい光景であり、この場所だけ暖かな感じがして――良く分からない安堵感を覚える。
そうしていつも…私は物思いに耽りながら授業を受けるのが日課になっていた。
その理由の大半は、彼の気さくな性格が影響していると思うが、私的には彼の考え方が新鮮で…何よりもこの時代に笑いながらあんな事を言ってしまう彼は、やはり凄いと思う。
“生徒のお前らは教室移動を強いられるのに、教える側の俺達だけ楽するのはどうかと思うぞ。
――それにこうして教室で教える事で、モニター越しからは分からないお前らを知る事が出来るからな”
そう笑って言ったゆっちょの言葉は、今でも鮮明に覚えている。
何に対しても全力でぶつかって、一緒になって笑ったり怒ったり…今の時代では珍しい程、私達と生身でコミュニケーションを取る人。
でもそれは決して押し付けがましいような物ではなく、あくまでも自然な形の物だった。
例えるならそう――
“友達”
私だけでなく、きっとみんなもそう思ってる。
何と無く分かる程、みんなが彼に向ける言葉は暖かで親しみを感じるものだった。
そんなゆっちょの声は、ホームルーム時で静かな校舎に良く響く。
それは決してゆっちょが大声を出している、と言うわけじゃ無くて…文明が進化してしまった世界の中で、少し前の“当たり前”を古い考えだと思う人が増えた結果でしかなかった。
静けさの佇む校舎の中で、唯一担任の声だけが響く。
それは酷く寂しい光景であり、この場所だけ暖かな感じがして――良く分からない安堵感を覚える。
そうしていつも…私は物思いに耽りながら授業を受けるのが日課になっていた。