worlds of last generationシリーズ 第一部
そんな風に昔の“当たり前”に触れてみて、多少なりとも考え方が変わっている私がいた。
それはきっと良い方向で最近は良く国立付属第七図書館へと足を運んでは、昔の本を借りている。
それは紛れもなくゆっちょの影響なのは考えなくても分かる事で、今は昔の物に触れさせてくれたゆっちょに感謝していた。
だって何もかもが憂鬱色の現代社会人達よりも、借りてくる昔の本は色褪せているのに…とても輝いているように思えたから。
何よりも触れなければ分からない物を、それらは教えてくれた。
例えば――
色褪せた本達の並ぶ図書館の中は、本の劣化を防ぐために日陰に建てられている事。
本を探す時に本棚へ行き、一つ一つ背表紙を見ながら面白そうな本を探さなければならない事。
見付けた本を手に取った時に舞い上がる埃とか…本に乗った埃を払ったり。
ページを捲る時に仄かに香る、古い紙の独特の臭い。
その全てが私に取っては新鮮で、でもどこか懐かしく思えた。
そんな事みんなに言ったら…きっと笑われるんだろうな。
ひっそりと芽生えるそんな感情を隠して、私は今日も授業を受ける。
やる事の少ない今の授業はとても退屈で、
“早くお昼にならないかな”
って思いながらモニター越しに講義する数学の禿げ教師を眺めていた。
蛍光灯の光が頭に反射して光っているのがやけに気になっていたのは、きっとその原理が理解できないからだと自分に言い聞かせて頭の片隅に追いやる。
そうしている内に、漸く一時間目の授業が終わった。
それはきっと良い方向で最近は良く国立付属第七図書館へと足を運んでは、昔の本を借りている。
それは紛れもなくゆっちょの影響なのは考えなくても分かる事で、今は昔の物に触れさせてくれたゆっちょに感謝していた。
だって何もかもが憂鬱色の現代社会人達よりも、借りてくる昔の本は色褪せているのに…とても輝いているように思えたから。
何よりも触れなければ分からない物を、それらは教えてくれた。
例えば――
色褪せた本達の並ぶ図書館の中は、本の劣化を防ぐために日陰に建てられている事。
本を探す時に本棚へ行き、一つ一つ背表紙を見ながら面白そうな本を探さなければならない事。
見付けた本を手に取った時に舞い上がる埃とか…本に乗った埃を払ったり。
ページを捲る時に仄かに香る、古い紙の独特の臭い。
その全てが私に取っては新鮮で、でもどこか懐かしく思えた。
そんな事みんなに言ったら…きっと笑われるんだろうな。
ひっそりと芽生えるそんな感情を隠して、私は今日も授業を受ける。
やる事の少ない今の授業はとても退屈で、
“早くお昼にならないかな”
って思いながらモニター越しに講義する数学の禿げ教師を眺めていた。
蛍光灯の光が頭に反射して光っているのがやけに気になっていたのは、きっとその原理が理解できないからだと自分に言い聞かせて頭の片隅に追いやる。
そうしている内に、漸く一時間目の授業が終わった。