worlds of last generationシリーズ 第一部
それから私達は、他愛のない話をしながらおかずを交換したりして昼食を済ます。
食休みをしながら、話を続ける。
友達との会話は途切れる事なく紡がれてゆく…まるで世界の様に、廻っていくのだ。
そんな風に二人で楽しく談笑していると、教室のドアが開いた。
見ると今日はまだ一度も会ってなかった友人が、開いた扉から足早に教室へ入ってくる。

「おはよう、美夜那。相変わらずだねあんたは」
そんな友人に声を掛けながら、彩葉は笑った。
それを聞いた彼女は、眼鏡の奥に潜めた鋭い眼孔で彩葉を見つめる。
「好きで遅刻してるわけじゃない…」
少し不機嫌な声で答え、自分の席につく。
端から見ればかなり不機嫌に見える彼女の表情と言動は寝起きだからであり、私達に対して怒っている訳では無い。

比較的おとなしい美夜那は、普段はあまり人に意見したりしない。
でも自分の意見を言わないのではなく、然程重要では無いから言わないだけで…実際はかなり自我が強く、納得出来ない時ははっきりものを言う子だ。
少々きつい言い方をする事が多いために、良く人に誤解されるが…本当はとても優しい人だと、話していく内にわかった。

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