worlds of last generationシリーズ 第一部
「じゃあさ、カラオケ行かない?室料半額の割引券が今日までなんだ!丁度三つあるからさ」
そう言う彩葉は何故か嬉しそうだった。
「良いよ。行こう」
「そこまで言うなら、行かない事もないわ」
室料半額と言う言葉につられないはずもなく、私は二つ返事で承諾する。
美夜那は素直に返事せず、何時も上から目線の言葉を返す。
こう言うのを“ツンデレ”って言うんだろうな
ふと思いながら、担任が来るまで話し込んだ。

ショートホームルームは、何時も滞りなく終わる。
今日の掃除当番は私達じゃないから、挨拶と同時に教室を出た。
「ねぇ、カラオケ行く前にCD屋寄りたいんだけど良い?」
そう聞く彩葉に私達は頷くと、この無駄に広い校舎内をお喋りしながら歩いていく。
時々擦れ違う友人達と軽い言葉を交しながら校舎を後にした。

学校から然程遠くない距離に、私達がよく行く通りがある。
そこは様々な店が立ち並ぶ通りで、主に学生を中心とした若い世代の人達で栄えた場所だ。
衣服とファーストフード、ゲームセンターが多く店を構えているが、その他にも数多くの店がところ狭しと並んでいる。
そんな学校帰りの学生達で賑わう通りを縫うように歩き、目的のCDショップへと入った。

彩葉は迷う事なく新曲CDの置かれた棚へ向かい一枚手に取り、更に奥にあるアルバムの棚へ行き、何枚かのCDを物色している
少しの間その場で何かを考えていたが、いくつかのCDを棚に戻してレジへ向かう。
会計を済ませて私達の元へと戻ってくる。


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