worlds of last generationシリーズ 第一部

店内に入るとカウンターレジがあり、そこには数体のアンドロイドがせわしなく動いていた。
私達はすぐにカウンターで受付を済ませると、一体のアンドロイドが端末とそれぞれが頼んだ飲み物を持ち、部屋へと案内案内する。

「ごゆっくりどうぞ」
そう言い残して去って行くアンドロイドの物腰は柔らかで、アンドロイドだと言われなければ分からない程…人にそっくりだった。
これも最新技術を駆使したもので、こういったアンドロイドが働く姿は珍しくない。

「ねぇ、何か食べ物頼む？」
部屋の一角に備えられた箱の前で、私は二人に聞く。
「私スペシャルスイートボックス」
「そうね…ラズベリーパイにするわ」
「りょうか〜い」
そう答えて箱に触れた。
するとデジタル画面が表示され、文字入力画面へと変わる。
私は各々の注文を入力して、自分の戸籍登録番号を入力した。

少し経った後に、一つずつ注文した品が箱のすぐ下に設置された透明なケースに守られた四角い空洞に出現する。
これは小型の培養機で、この空洞の中に物を入れると、その物質情報を記録していつでも取り出せるようにする機械だ。
一つの培養機に記録できる物質情報は、搭載するナノSDの質によって違うが、物凄い数を記録できるらしい。
ただし家庭用培養機とは違い、お店に設置されたものには料金がかかる。