worlds of last generationシリーズ 第一部
「あっおはよ〜美夜那。気にしなくて良いよ、アホがわめいてるだけだから」
「煩わしいわ。黙らせて頂戴」
手を振りながらそう言う彩葉に、不機嫌そうに眉を寄せて美夜那は、自席に鞄を置いて此方に歩いてくる。

「おはよう。美夜那」
「えぇ、おはよう由亜」
笑顔で挨拶すれば、ふわりとした微笑で返される。
彼女の美人っぷりには、同性の私でも見取れてしまう事がしばしば…
私も美人に生まれたかっ
たな。
そう思った時だった。

「由亜…そんなに見つめてどうかしたの?私の顔に何かついているの?」
不思議そうに言葉を紡ぎながら、急いでコンパクトミラーを取り出す。

「嗚呼…違うの美夜那!!ぼーっとしちゃっただけだから気にしないで!」
言われて始めて、見つめていた事に気付いた。
驚く程自然に目を奪われてしまっていたらしい。

「そうなの?由亜…具合いでも悪いのかしら?」
あまり無理はしないで。
そう心配そうに言う美夜那に、頷いて返す。
彼女を見ていると思い出す、うっすら霞んでいる昔の記憶。
それでもちゃんと幼い顔を覚えてる。
酷く憂鬱そうで、全てが退屈そうだった。
その少女の記憶を――

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