worlds of last generationシリーズ 第一部
/偽りの平穏(前)
「何してんの二人とも…」
私が怪訝そうに見ると、二人は引きつった笑みを浮かべる。
「いや〜、着替え終わって出ようとしたら、いきなり開いてさ…急だったから避けられなかっただけだよ」
困ったような顔で笑いながら言う彩葉に、美夜那は頷くだけで何も話そうとしなかった。
「…盗み聞きしてたな…?」
「盗み聞きって何が?」
私がぼそりと呟くと、上擦った声で答える彩葉。
二人とも素直な性格をしているので、図星を付かれると酷く慌てるのだ。
「図星を付かれると二人とも慌てるよね」
「そんな事ないよ!」
彩葉がやけに反応してくる。
「美夜那は口数減るどころか喋らなくなるし」
「そんな事ないわ、何時もと変わらないじゃない!」
私が体育着に着替えながら指摘すると、直ぐに強い口調で答えた。
「もうバレてるから観念しなよ二人とも…」
半袖・ハーフパンツに着替えて振り返る。
罰の悪そうな顔をしながら俯いている二人に、そう言い放つ。
「――ごめん盗み聞きするつもりはなかったんだけど…」
「出るに出られなかったのよ…」
二人は私の顔をちらちらと伺いながら、言葉を紡ぐ。
「――はぁ…私はね?盗み聞きした事に怒ってるんじゃないの――二人が誤魔化そうとした事に怒ってんのよ」
『はぁ?』
綺麗にハモる二人の声。
目を丸くするとはまさにこの事で、酷く驚いていた。
私が怪訝そうに見ると、二人は引きつった笑みを浮かべる。
「いや〜、着替え終わって出ようとしたら、いきなり開いてさ…急だったから避けられなかっただけだよ」
困ったような顔で笑いながら言う彩葉に、美夜那は頷くだけで何も話そうとしなかった。
「…盗み聞きしてたな…?」
「盗み聞きって何が?」
私がぼそりと呟くと、上擦った声で答える彩葉。
二人とも素直な性格をしているので、図星を付かれると酷く慌てるのだ。
「図星を付かれると二人とも慌てるよね」
「そんな事ないよ!」
彩葉がやけに反応してくる。
「美夜那は口数減るどころか喋らなくなるし」
「そんな事ないわ、何時もと変わらないじゃない!」
私が体育着に着替えながら指摘すると、直ぐに強い口調で答えた。
「もうバレてるから観念しなよ二人とも…」
半袖・ハーフパンツに着替えて振り返る。
罰の悪そうな顔をしながら俯いている二人に、そう言い放つ。
「――ごめん盗み聞きするつもりはなかったんだけど…」
「出るに出られなかったのよ…」
二人は私の顔をちらちらと伺いながら、言葉を紡ぐ。
「――はぁ…私はね?盗み聞きした事に怒ってるんじゃないの――二人が誤魔化そうとした事に怒ってんのよ」
『はぁ?』
綺麗にハモる二人の声。
目を丸くするとはまさにこの事で、酷く驚いていた。