worlds of last generationシリーズ 第一部
「うわぁ、マズイ!」
「私とした事が、二度も失態を冒すなんて…!!」
「て言うか今から走って間に合うかな?」
各自思い思いの事を言いながら、更衣室を出た。

「ゆぅちゃん、急ぐよ!!」
そう言って私の手を引き、抱えあげた。
またですか…?
静夜君。

「それじゃ、お先に」
彩葉達にそう言って彼は走り出す。
後ろから彩葉達が何かを叫んでいたが、全く聞き取れなかった。

三階にある更衣室から、一階の階段横にある体育館まで一気に駆け抜ける。
私はすでに諦めていたので、素直に彼に捕まって目的地に着くのを待つ。

「ゆうちゃん、今回はおとなしいね?」
余裕そうな笑みを浮かべながらも、彼は廊下を走り続ける。

「もう諦めたよ。どうせ沢山の人達に見られたんだし…良いかなって思って」
そう返せば笑って応える静夜は、酷く楽しそうで…私もつられる様に顔を緩ませた。

そうして気が付けば、すぐ横に体育館。
静夜はそっと私を下ろすと、手を取り歩き出す。
そのまま体育館へ入ったのだが…
酷く注目を浴びている。

居心地悪いな…
そう思い、俯きながら歩いているとチャイムが鳴り響く。

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