worlds of last generationシリーズ 第一部
「今日の授業は模擬戦だ。模擬戦だからと言って手を抜かない様に」
気だるそうな体育教師の言葉に、心ない返事を返す生徒達。

「それでは各自準備が出来次第、ネットダイブする様に」
体育教師はそれだけ言うと、さっさとダイブの準備に取り掛かった。

ネットダイブは、意識をネット内に移動させる事を指す。
そうする事で、ネット上でもリアルと同じ体験が出来ると言うもの。
主にゲームやアバター形式のコミュニティサイトで使われている、今注目のネット形式である。

私達の学校の様に、この形式を利用して体育の授業をする所は少なくない。
それほど便利な物なのだ。

特に国立の学校は、この形式を殆んど取り入れていて、通常では団体用の固有サーバーを利用して使用する所を、一人の生徒に一台ずつマルチカプセル式の機械を与えている。

私達の学校はマルチカプセル式。
始めての授業で自分の個体を入力すれば、次からは簡単な操作でタイブ出来るシステムになっている。

私はマルチカプセルに専用IDを入力し、カプセルの蓋を開け中へ入った。

中へ入ると自動で蓋が閉じ、デジタル画面が出現する仕組みになっていて、そこにエリア番号を入力すると、ダイブ体勢に入る。

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