worlds of last generationシリーズ 第一部
『個体番号確認
エリア番号M-4071へダイブします』
音声とデジタル画面に表示された言葉に、私は目を瞑る。
少し経つと、首と両手足に枷の様な物を付けられ…カプセル内を生暖かいゼリー状の液体が満たした。
『個体番号:D-44731850
エリア番号M-4071へダイブ』
そう機械音声が言うと同時に、私の意識が途絶えた。
それから少し経った後に意識が戻る。
そこは森の中の一角に出来た草花の生い茂る切り開かれた空間で、私はその中心に横たわっていたらしい。
「またいつもの所か…」
小さく愚痴を溢すと、私は立ち上がった。
辺りは薄暗く、明かりと言えば空に浮かぶ月のみ。
頼りない視界の中で、私は独り歩き出した。
切り開かれた空間を出て、森の中を宛てもなく彷徨う。
木々は風に揺れ、ざわざわと音を立てていた。
酷く寂しい風景が広がる。
嗚呼…
私は―――
《この場所で…――》
はっと我に返る。
今私は何を考えていた?
いや…
【ナニをオモいダそうとしてたの?】
ずっと続く路のない森の中、夜の景色に彩られたこの場所で…
一体何を思い出すと言うのだろう?
疑問ばかりが浮かんでは消えていく。
堂々巡りの思考に、苦笑してみる。
そうだ…
私は何も忘れてなんてないんだ――
“タイセツ”な事なんて、一つも失くしてなんてない。
エリア番号M-4071へダイブします』
音声とデジタル画面に表示された言葉に、私は目を瞑る。
少し経つと、首と両手足に枷の様な物を付けられ…カプセル内を生暖かいゼリー状の液体が満たした。
『個体番号:D-44731850
エリア番号M-4071へダイブ』
そう機械音声が言うと同時に、私の意識が途絶えた。
それから少し経った後に意識が戻る。
そこは森の中の一角に出来た草花の生い茂る切り開かれた空間で、私はその中心に横たわっていたらしい。
「またいつもの所か…」
小さく愚痴を溢すと、私は立ち上がった。
辺りは薄暗く、明かりと言えば空に浮かぶ月のみ。
頼りない視界の中で、私は独り歩き出した。
切り開かれた空間を出て、森の中を宛てもなく彷徨う。
木々は風に揺れ、ざわざわと音を立てていた。
酷く寂しい風景が広がる。
嗚呼…
私は―――
《この場所で…――》
はっと我に返る。
今私は何を考えていた?
いや…
【ナニをオモいダそうとしてたの?】
ずっと続く路のない森の中、夜の景色に彩られたこの場所で…
一体何を思い出すと言うのだろう?
疑問ばかりが浮かんでは消えていく。
堂々巡りの思考に、苦笑してみる。
そうだ…
私は何も忘れてなんてないんだ――
“タイセツ”な事なんて、一つも失くしてなんてない。