桃色の1ページ
「ちゃんと帰って来れたんだね」
「しばらくは、こっちに住むことにしたんだ」
樹の一言一言が、昔の記憶を蘇らせるように耳に届く。
「だって俺ら、約束したろ?
離れる時に」
* * *
「約束だよ?」
「約束な」
「帰ってきたら────」
「ゆめを俺の彼女にする」
「うんっ」
中2の時の約束なんか、樹は忘れちゃってるかと思ってた。
あれから3年も経ったんだね。
* * *
「ゆめ、俺、おまえが好き」
「うん」
「離れた後も、ずっと好きだった」
「うん」
「今は、大好きだ」
「うんっ!」
3年ぶりの告白だった。
3年ぶりの再会だった。
ようやく果たせた約束だった。
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