平々凡々なストーカーです。
このまま俺の気持ちは空崎さんに届くのだろうか。
空崎さんに一目惚れしてから2年だが未だに一度も話していない。
話しかけられないんだ。
馬鹿な女子には簡単に合わせられるが本当に好きな子には緊張して言葉なんかかけられない。
いつまでこうしているんだろう。
話しかけられないイライラを部活に向けている内はよかったけどいつの間にかテガミも出していて、さっきみたいに家の前まで行って様子をみている所までいった。
俺は・・・もしかしたから・・
いや、違う。絶対にちが・・
そこで陽気な流行の歌が耳に入ってくる。
ズボンのポッケに入れておいた携帯が鳴っていた。
「もしもし?」
『おーもしもしリょーいち君』
明らかに影口だった。
「なんだ」
『あのさー明日って数学の宿題提出しなきゃだろ?』
「ああ・・そうだったな」
『み・せ・て』
「縮め」
『そんな魔法の呪文をかけるな!!』
電話の向こうでぎゃーぎゃー騒ぐ影口を無視して俺は電話を切る。
ぷつっと切れる音が妙に響いた。
同時に俺は嗚咽を我慢すると共に屋根裏部屋からさっさと出て行った。