平々凡々なストーカーです。
「あ、」

のどに何かつまる感覚がした。

「あー!あのさ俺今朝ここで落し物してさ!探しにきてたんだ!」

いつもの通りのやんちゃな感じの俺を演じて答える。

日留宮はぴくりとも表情を変えずにいたのは無視。

「へえ、何を落としたんだい」

しかも追求。

「携帯携帯!おかげで砂まみれなんだ!」

ホラ、と最近買った新機種の白い携帯を見せる。

「・・・・・・大変だったね」

なんだ今の間は。

日留宮は俺がある一つの下駄箱に何かしたのか気づいているのか?

こいつ無表情だからわからない。

「でも」

日留宮の端正な唇が動く。

「その携帯3時間目の休み時間に見たのは私の気のせいかい」

全てを見透かされているような気がした。

まて、落ち着け。

俺は今までと変わらずニコニコと笑顔を向けた。

「うん?多分それは夜島のじゃないか?あいつ俺と同じだし!」

これは嘘ではない。本当に俺と夜島は同じ機種の携帯だ。

ただ、3時間目に使っていたのは俺のだが。

「日留宮はなにしに来たんだ」

とにかく話しをそらそうと笑う。

「ああ、下駄箱にテガミが入っていないか見にな」

どくんと胸が音を立てる。

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