平々凡々なストーカーです。
しなやかに日留宮が下駄箱に近づく。

そっちは・・・そっちには・・

「あったあった」

日留宮が下駄箱から取り出した手紙は薄桃色の可愛らしい物だった。

俺のではない。

「それ・・・」

「私の下駄箱に最近入っているんだ。どうも告白というものらしいがな」

「・・・・もててるな」

「ちがうよ。放っておくとたまるからこうして取りにきているんだ」

中身を取り出して軽く読んでから日留宮は歩き出す。

俺はその行動をみて安心して息を吐き出す。

「呼び出しか?」

「放課後体育館裏に来いと」

日留宮は冗談抜きでもてるからな・・・。

彼氏持ちでそれが学校のスター影口だからまだこんなもんですんでいるけどフリーになったらどうなるんだろうか。

好奇心がうずく。

「そろそろ昼休みも終わるから教室にもどりなよ」

背中からきこえる日留宮の声に薄く反応して俺は振り返り、下駄箱を離れた。
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