【企】秘密なキミ
初めて彼と会ったのは
図書室だった。
その時あたしは
族の名前を考えていた。
簡単な名前じゃなくて
奥深い名前が良かった。
そして思い付いたのが
花言葉だった――…
だけど普段、
本も読まなければ、
勉強もしない。
図書室だって初めてきた。
だからどーやって
調べればいいかわからず
毎日毎日、
ひたすら花図鑑を読んでいた。
そんなある日
彼があたしに話しかけて来たんだ。
その時のあたしは族の総長をやっていて
金髪でどー見てもヤンキー
って格好をしていたので、
図書室でも浮いていて
誰も近寄ってこなかった。
でも彼はちょっと気まずそうに笑って
あたしに話しかけてきた。
だけど彼の目だけは
しっかりと輝きを放っていて
力強い目をしていた。