モノクロ

お風呂から上がり、部屋に入ると、あたしは深呼吸をして携帯を握った。



プルルル プルルル プルルル…プルッ


「…涼子?」

久しぶりに九条さんが呼ぶあたしの名前に、ドキッとする。


「…どした?」


なんでだろうね…伝えたい言葉があるのに、涙が止まらない。



「…ヒック。
あい…たい。」


「え?」

「九条さんにすごくすごく会いたいですっ。」


あたしは必死に涙をこらえて、そうつぶやいた。





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