モノクロ
「だけど今ままじゃ、涼子を悲しませるだけだと思うんだ。
これからもっと忙しくなって、バイトだって辞めると思う…今以上に会えなくなる。」
「それでもいいです!
あたし九条さんがいないと…」
それでもいい…
繋がりがなくなるのが怖い。
でもあたしが言い終わらないうちに、九条さんはそっと離して、肩をつかんだ。
「俺だってそうだよ?涼子意外はありえない。
けど今のままだとこの前みたいに、そのうちお互いを疑ってしまう…だからお互い好きでいられるために別れるんだ…分かる?」
この前って…電話した時?
分からないよ。
…あたしそんなに子供?
やっぱり歳の差は無理だった?
でも嫌いになったのではないと気づいてほっとした。
「…涼子?離れてても、俺のこと好きでいる自信ある?」
あたしはコクリとうなずいた。
「だったら大丈夫…俺も離れてても涼子を愛してる。」
そう言った九条さんは、あたしの前髪を掻き分けて、おでこにキスをした。