モノクロ

あたし達は朝食を食べると、九条さんはあたしをバイト先まで送ってくれた。



歩って行ける距離なのにな…九条さんは心配だからなんて言って、ついて来た。

まったく…九条さんは心配症なんだからぁ。




「もう大丈夫ですよ?」

手前の交差点で、あたしは九条さんの手を離した。



「…分かった。」


「クリスマス…楽しかったです。じゃあまた。」

「…うん、また。」



交差点を渡って振り向くと、九条さんは寂しげに手を振っていた。






< 66 / 167 >

この作品をシェア

pagetop