モノクロ
「えっと…彼氏。」
「は?」
幸弥は、とても驚いたような顔をしている。
そりゃ…そうかぁ。
あたし彼氏つくらないって言い張ってたしな。
「あの彼氏だかなんだか知りませんが…俺涼子のこと好きです。
俺の方が涼子のこと知ってるし、いつでも奪いますよ?」
幸弥は九条さんを睨みつけながら言う。
ちょ…何言っちゃってるの?
てか奪うって何よ?
「…誰だか知らないけど、涼子は俺のだから誰にも渡さないし。」
えぇ?
ちょっと九条さんまで。
「…行こう。」
そう言って九条さんはあたしの手を引いて、レジに向かった。