モノクロ

「えっと…彼氏。」

「は?」


幸弥は、とても驚いたような顔をしている。

そりゃ…そうかぁ。
あたし彼氏つくらないって言い張ってたしな。



「あの彼氏だかなんだか知りませんが…俺涼子のこと好きです。
俺の方が涼子のこと知ってるし、いつでも奪いますよ?」


幸弥は九条さんを睨みつけながら言う。


ちょ…何言っちゃってるの?
てか奪うって何よ?



「…誰だか知らないけど、涼子は俺のだから誰にも渡さないし。」


えぇ?
ちょっと九条さんまで。



「…行こう。」

そう言って九条さんはあたしの手を引いて、レジに向かった。





< 92 / 167 >

この作品をシェア

pagetop