モノクロ

幸弥のことがあってから、九条さんはちょっと機嫌が悪い。

まぁそんなところもかわいいんだけどね。




食材を買って、九条さんのマンションにやって来た。



「今度こそちゃんと座っててくださいよ?」

あたしは念を押して言った。

この前は恥ずかしくて集中出来なかったもん。



念を押したせいか、九条さんはずっとぶすくれた顔をして、ソファーに座っていた。



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「九条さん、出来ま…」

言いかけたけど、九条さんの姿を見て、顔がほころぶ。


ソファーに座っていたはずの九条さんは、いつの間にか腕を組んでぐっすり眠っていた。



九条さん疲れてるのかな…。

九条さんの部屋には、たくさんの参考書が置かれるようになった。
きっと勉強忙しいんだね。





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