モノクロ

「涼子…こっち来て。」

あたしは首をかしげて九条さんに近寄る。


「隙ありっ!」

急に首にキスマークをつけられた。



「これで俺のだから。」

「もー、九条さん!」


意地悪い笑みをうかべる九条さんを見て、あたしは先に湯舟から上がった。



あたしは着替えながら、九条さんの顔を思い出した。

幸弥のこと話してる九条さん、すごく悲しそうだったな。



だからか今日の九条さんいつにもまして、意地悪だ。





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