いつかは…

いつかは…

古風な外見の一軒家。
その外から見える場所に彼はいた。

黒い、少し長めの短髪に、同じ色の瞳。
身長は165～170cm程だろうか？
細身で色黒の男性だ。

その男性が窓辺から見ているのは、まだ幼い女の子だった。
庭の木の陰に隠れて男性の様子を伺っている。
そんな女の子を見ながら彼は幸せそうに微笑んだ。



｢アキラ、アイラは？どこいったの？｣



彼に声をかけたのは女。
まだ若い。
少し茶の入った黒の長髪で、茶色の瞳。
身長は155～160cmまではない程だ。
ふっくらとした丸顔で、キョロキョロと何か探している様子だ。



｢アユミ、ほら見てご覧？アイラあれで隠れてるつもりなんだよ。｣



アキラと呼ばれた男性が、木の陰からジーっとこちらを伺っている女の子を指差した。
自分を見ているのがわかったのか、その女の子アイラはすぐに木の陰に入ってしまった。



｢あんなとこにいたのか。もうしょうがないなぁ…もうすぐご飯の時間なのに…今日は折角アキラも休みだし、頑張ってオムライスを作りましたよ。｣



そう言って、アキラに笑いかけた。
アキラも笑って返し、木の陰から出たり入ったりしているアイラを二人で眺めていた。