機動装甲Ⅳ
彼は特殊な装置に組み込まれ、目を閉じているシェリンの姿を見る。

「我々の戦いは聖戦だ。国連軍と帝重工の不正を断じる為の正しき戦だ…正しき者が敗北を喫する訳にはいかない。違うか?」

「無論だ」

私は頷く。

しかしその聖戦も、我々が恥じるような戦い方をしなければこそだ。

手段を選ばぬ闘争に正義などない。

「それは敗者の言い訳だよレイカー」

アークスが手元のスイッチを押す。

同時にシェリンが、装置ごとホイストで吊り上げられる。

それはそのまま巨体へと組み込まれる。

全長100メートル以上、従来のものよりも遥かに巨大な、未完成なのではないかと思えるような奇妙な姿形のAMの中へと。

「勝たねばならぬ。勝たなければ意味はないのだよレイカー」

歪んだ笑みを浮かべるアークス。

その表情に、既に義はない。

勝つ事に囚われ、本来の目的を見失った独裁者の顔がそこにあった…。



            To be continued…
 

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