ＯＬ社内規程

彼女の話はこうだった。



彼女の彼氏は弁護士を目指して司法試験を受けている。

が、数回落ちている。

でも、夢を諦めてほしくない。

今まで彼をささえてきたけれど・・・

赤ちゃんが・・・できた。

それで、彼は結婚しようと言ったが・・・

彼氏のバイト料だけでは食べていけない。

自分も働くって言っても・・・

今の会社を辞めたらこのご時世・・・


次の仕事が決まる保障は



・・・ない。



「だから辞められないんです。」


「そうね。社内規程もそうだけど結婚したら辞めなきゃならないってこと自体法律に触れるわけだし・・・本当のところ辞める必要はないのよね。」


「でも・・・辞めさせられるんですよね。」



法律がどうのとか言っても実際問題として会社の裏の社内規程のほうが強い現実・・・




「裏社内規程をなくそう。」


「えっ？」


「だって、いつまでも古臭いしきたりに従うっていうのも変よね？」


「先輩・・・でも・・・。」


「正しい社内規程には、妻が夫の扶養になるだけじゃなくって夫だって妻の扶養になることができるのよ。」


「えっ、そうなんですか？私が彼をってことですか？」


「そうよ。実際、満６０歳以上の親を扶養してる人は結構いるし、妻と子供だけが扶養家族ってわけじゃないんだから収入の少ない夫を扶養家族にするの。あなたが一家の大黒柱になるつもりならそれがいいわ。」


本当はとても人のことに関ってる場合じゃないけど・・・・


今は・・・他に気持ちを向けよう。


「上の方にも掛け合ってみるわね。」