愛し君、離れても。
二人で行った温泉旅行も、ホラーを見てしがみついてきた龍も。
水族館でイルカに夢中なあたしに呆れてた龍の横顔も、ビリヤードで全然入らなくていじける仕草も、全部。

耳そうじのときに感じる龍の頭の重み。

裸の胸に耳を押し付けた時に聞こえる鼓動。


全部、忘れないから。

生まれてきてくれて。

あたしに出会ってくれて。

ありがとう。
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