君といたい
ゆきさんのためだ!

と思っていると。

「勇気君!」

ゆきさんが後ろから大きな声で僕を呼んだ。

僕はゆきさんの大きな声にビクリながらゆきさんの方を振り返った。

「え?」

僕が振り返るとゆきさんはかさをギュッと持ちながら近付いて来て僕の頭の上にかさをかざした。
「風邪引くでしょう?
なかすの方だよね?一緒に帰ろ?」

帰りたくないと言ったら嘘になる。…

だから僕は

「はい」

としか言えなかったけどチャンスがふえた。

< 18 / 33 >

この作品をシェア

pagetop