続〃ねこ笛日記
タロウ兄ちゃんが、居なくなったあとは、クロちゃんが見張りをして…
私達を守ってくれていた。

でもね、このクロちゃんは 、すごい甘えんぼうな猫…

人間の母さんが、来た時、 いつも、抱っこして貰っている…


おかしいのよね、大きくなっているのにね。
抱っこなんて…


あっ、私も抱っこが…
大好きだったんだわ!


赤ちゃんの時にね、人間の母さんが、抱っこしてくれたのよ…


「ねんねん!おころり。 おころりよ…
ねん猫、寝ん猫、 ねん~ネコよ…」


子守歌を歌ってくれた…


「なあ!ナナミちゃん…
この歌、猫の歌みたい やねえ~ 」


そう言いながら、私の背中をトントンって、


「いい子や…
ほんまに、可愛い子や」

そう言って、優しく撫でてくれていた…


そのあとは…
私は、スヤスヤ!
母さんの腕の中…


〃今でもね、時々…
母さんにして貰っている のは、私…?〃


そんな時の私の目は、 だんだんと、細くなって いくの…


それと、お口の中からは… 舌が少し出てくるの…


そう、口からベロがはみ出して、赤く見えているわ…

すると、母さんがね…


「まあ、可愛いベロやねえ 。綺麗な色の赤やわあ」

母さんの、指でちょっと〃 触わられるの…


でもね、その時には… もう、夢の中にいるから、 わかんない…


まあ、そんな、こんなで! 椿の木の上の家に住むようになって、一年がたっていた…

「キュッ、キュッ、キュッ」母さんが呼んでる…
山の谷間に響いています。

だから、どんなに遠くへ、 遊びに行ってても…


母さんの所に来ることができるの…


シロ母さん、クロちゃん、 ナカンちゃん、ナナミの私達は一目散で走ります…


岩の上から飛んで降りた… 松の木からも、飛んで降りた。


「それ〃走れ~
母さんのいる所へ~」


あっちからも、こっちからも、ガサッ、ガサッ、と〃
草むらから、音が近付いて きます…
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