黒い糸~契約者たち~
「俺ん家くる?」
ニコっと微笑んだ顔が
なんとも怪しくてうなずけなかった。
高校生の考えてることは、
怖いからね…。
「旅館に泊まるしかないね」
「でも、そんなお金…」
「あるんだな!これが」
走りっぱなしだった
あたしと高校生は
やっとゆっくり歩き始めた。
陸上部のあたしにとっては、
対した距離じゃなかったから
そこまで息荒くないけど
高校生は、
あたしよりも遥かに余裕な
呼吸リズムをとっていた。
契約者だとかに関係してるのかな…。
なんて思ったり。