青碧の魔術師(黄昏の神々)
光が射し込み暗くよどんだ部屋一面に、爽やかな風と暖かな熱を送り込む。

部屋には、一人用のベッドとテーブルが有るだけの、何も無い部屋。


狭い一人部屋は、宿屋ならどこにでもある造りだった。

外から、雑多な人々の活気づいた声が、聞こえてきた。


『おや? 昨日はここまで賑やかだったか?』


彼は昨日の昼頃、この街にたどり着いた時の事を思い出してみた。

ついでに、窓から下を覗き見ると、明らかに昨日より、通りを歩く人の数が多い。

そう。

太陽が、真上に無いにも関わらずにだ。


「一体、何が……」

「今日から三日間お祭りが有るんだって! 」


青年が呟いた言葉に、合いの手が入る。

青年は、掛けられた言葉の主をいちべつすると、胡散臭そうに顔をしかめた。


「随分物知りだな。その情報、どこで仕入れてきた? 」


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